ビットコインの取引手数料の全てを徹底解説
ビットコインの取引手数料は、ビットコインを利用する際の基本的な部分です。しかし、新規参入者のビットコイン初心者にとっては少々混乱してしまうのではないでしょうか?
この記事では、「ビットコインの取引手数料って何?」「なぜビットコインの取引には手数料がかかるの?」「手数料の額はどうやって決まるの?」など、ビットコインの取引手数料についての様々な疑問にお答えしていきます。
ビットコインの取引手数料について知っておくべきことを学んで、今日からビットコイン取引を始めてみましょう。
目次:
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ビットコインの取引手数料って何?
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なぜ取引手数料が必要か?
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ビットコインの手数料 VS 銀行の手数料
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ビットコインの取引手数料はいくら?
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ライトニングネットワークが手数料に与える影響は?
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セグウィット(SegWit)が手数料に与えた影響
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ビットコイン取引手数料の設定方法
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まとめ
ビットコインの取引手数料って何?
ビットコインの取引手数料は、ビットコインの取引を行う際に発生する少額の手数料のことです。この手数料は、必ずしも支払わなければいけないものではありませんが、ビットコインの取引を認証するマイナー達(ビットコインのマイニングを行う人々)にその取引を処理をしてもらいたい場合、つまりその支払いを成立させたい場合には、手数料の設定が強く推奨されます。
ビットコインのマイニング(採掘)について簡単に説明します。ビットコインのネットワークである「ブロックチェーン」は、マイナー(採掘者)と呼ばれる人々によって維持されています。マイナーは、自分のパソコンが持つ計算能力を使うことで取引を検証し、ブロックチェーンに新しいブロックを追加します。
新しいブロックの追加に成功したマイナーには、ブロックに含まれる取引手数料に加えて、一律の採掘報酬(2021年現在で6.25ビットコイン)が支払われます。
しかし、マイナーは取引を適当に時系列で処理するわけではありません。マイナーは各ブロックにどの取引を含めるかを選ぶことができ、一つのブロックに収めることのできる取引の数には制限(1MB分のデータ)があります。マイナーは、追加したブロックの取引手数料を受け取るため、平均的な手数料や低い手数料、あるいは手数料がない取引よりも、高い手数料が支払われた取引を優先的に処理していく傾向があります。
つまり、ビットコインの取引をする際に支払う手数料は、このマイナー達に報酬として支払われています。
なぜ取引手数料が必要か?
先ほど紹介したように、マイナー達は新しいブロックを追加するたびに一律6.25ビットコインの報酬を得ているのに、なぜ取引手数料が必要なのかと疑問に思うかもしれません。この理由は、一律の報酬が21万ブロックごとに半分になるようにプログラムされているからです。
ビットコイン誕生時の当初の報酬は50ビットコインでしたが、ブロック数が210,001に達したところで25ビットコインに半減し、ブロック数が420,002に到達した際に再び半減して行くことで、現在の報酬額になっています。マイニング報酬の減少は、ビットコインの流通量が上限の21,000,000ビットコインに近づくにつれ、新たなビットコインが作られる速度を遅くするために存在しています。
最後のビットコインが作られるのは、2140年頃と言われていますが、一律のマイニング報酬が減ることで、将来のより大きく成長し活発に利用されるであろうと言われているブロックチェーンネットワークから得られる取引手数料が、マイナーがネットワークを支え続ける動機として十分なものになることが期待されています。
ビットコインの手数料 VS 銀行の手数料
ビットコインの取引手数料は、従来の銀行などを介した国際送金の手数料よりも、大幅に安いことが多いです。例えば、日本の大手銀行は、海外への送金に数千円かかることが多く、その高い手数料にも関わらず送金先に到着するまでに数日待つ必要があります。これに対し、ビットコインで送金を行う場合には、曜日に関わらず24時間いつでも、世界中のどこへ送っても、数十円〜数百円程度の手数料で送金することが可能で、その着金時間も平均でわずか10分〜20分程度で完了します。
しかし、ビットコインの取引手数料は、少額の取引を行う場合には特に安いわけではないことは覚えておきましょう。例えば、300円の送金を行うために、40円の手数料を払うのはあまり安いとは言えず、少なくとも今のところは、従来の通貨で支払った方が良いでしょう。
ですが、比較的大きな額の送金をビットコインで行う際には、銀行などのように送金額の割合で手数料がかかるわけではないので、銀行とは比べ物にならないくらいの安い手数料での送金が可能となります。
ビットコインの取引手数料はいくら?
ビットコインの取引手数料はこれまで非常に低いものとなっていました。ビットコインの取引手数料は、従来の銀行やオンライン決済サービスが請求する取引手数料とは異なり、取引額の5%などのように一定の割合で設定されているわけではありません。その代わり、ビットコイン利用者は、実行する取引ごとに取引手数料を手動で設定することができます。
利用者が自由に取引手数料を決められるのなら、できる限り低い手数料を設定すればいいのではないか?と思う方もいるかもしれません。
確かにとても低い手数料を設定することは可能ですが、あまりにも低い手数料や、手数料を支払わなかった取引は単にマイナーによって処理されないリスクがあります。そのため、平均以上の手数料の取引は、素早く次のブロックに含まれる可能性が高く、平均的な手数料の取引は1〜3ブロックに含まれる可能性が高く(必ずしも優先されるとは限らない)、平均以下の手数料の取引は放置されてしまい、いつまで経っても取引が完了しないリスクがあるという仕組みになっています。
例えば、現在の取引手数料の平均が42バイト(0.00000042BTC)で、それよりも少し高い50バイトの取引手数料を設定すると、その取引が次のブロックで検証される可能性が高くなります。また、現在の平均的な取引手数料を設定した場合、その取引は数ブロック以内に処理される可能性が高いですが、次のブロックに選ばれる可能性は高いとは言えません。
ビットコインの取引手数料の価格は、その時点でのビットコインブロックチェーンの活動レベルと、利用者が取引を処理してほしいスピードによって決められます。ネットワークが混雑している場合(多くの人が同時に取引を実行している場合)、その取引が迅速に処理されるどころか、まったく処理されないために、より高い手数料を支払わなければならない可能性が高くなります。ビットコインの価格が大幅に上昇し、1日の取引量が急増するようなケースでは、取引の処理に必要な平均手数料が大幅に上昇します。
つまり、ビットコインの値段が急上昇して取引量が増えると、みんなが自分の取引をすこしでも早く処理して欲しいがために手数料も上昇し、通常時のネットワークが混雑していない場合には、比較的安価な手数料でも、処理されるという仕組みになっているんですね。
ライトニングネットワークが手数料に与える影響は?
ビットコインのライトニングネットワークは、ビットコイン全体の取引スループットを向上させることに加えて、小額決済の手数料が高いという問題を解決するために設計されています。ライトニングネットワークは、ビットコインのブロックチェーンネットワーク上に構築された第2層のプロトコルです。ライトニングネットワークは基本的に、ビットコインのノードが相互に双方向の支払いチャネルを開き、無制限の数の取引を行い、その後チャネルを閉じることを可能にします。ブロックチェーンにブロードキャストされる取引は、チャネルの開設と閉鎖のみとなっています。すべての中間的な取引はオフチェーンでほぼ即時に行われ、手数料は非常に低くなります。
しかし、ライトニング取引に欠点がないというわけではありません。ライトニング取引の主な欠点は、オフチェーンで決済されることから、従来のビットコイン決済と同レベルのセキュリティを備えていないことです。そのため、ライトニングネットワークを使用した取引は、少額の取引のみに適していると言えるでしょう。
セグウィット(SegWit)が手数料に与えた影響
セグウィット(SegWit)とは、Segregated Witnessの略であり、2017年8月に初めて公開されたビットコインコードのアップグレードです。これは、ビットコインコードの「トランザクション・マレアビリティ」と呼ばれるバグを修正することを主な目的としています。トランザクション・マレアビリティとは、ハッカーなどの攻撃者がビットコイン取引のデジタル署名を変更し、それによって取引自体の詳細(関係する公開鍵や出力など)を変更することなく、取引の公開IDを変更することを可能にしていました。これは、従来のビットコイン取引では問題ありませんが、先ほど紹介したライトニングネットワークのような第2層のプロトコルでは大きな欠陥となります。
この問題を解決するために、デジタル署名を取引データから分離し、デジタル署名を変更しても取引IDが変更されないようにしました。このバグの修正には、便利な追加効果があります。デジタル署名は多くのデータを必要としますが、取引データと分離することで、ビットコインの各ブロックにより多くの取引データを保存することができます。このようにセグウィットは、ブロックサイズを大きくすることなく、より多くの取引を各ブロックに収めることを可能にし、その結果ネットワークの混雑を緩和し、手数料を下げることにも貢献しました。
ビットコイン取引手数料の設定方法
最近のほとんどのビットコインウォレットは、ブロックチェーンの活動レベルを読み込んで、推奨される手数料を自動的に提供します。また、確実に次のブロックに含まれることを約束したい急ぎの取引を行う場合には、ウォレット内の推奨手数料を平均よりも高い手数料に変更することができるようになっています。
もし、現在使用しているビットコインウォレットが、自動的に手数料を計算してくれない場合や、手動で手数料を入力しなければならない場合は、以下のサイトを参考にして推奨される手数料を調べてみまよう。
上記ようなサイトでは、いつでも最新のビットコインの平均取引手数料を確認することができるので、ぜひ活用してみてください。
まとめ
ビットコインをまだ始めたばかりの方や、これから始めたいと思っている初心者の方には、ビットコインの取引手数料は複雑に見えるかもしれません。しかし、なぜビットコインの取引に手数料がかかるのかをしっかり理解していれば、納得のいく理由に思えるでしょう。
もし、自身で手数料の設定をすることに抵抗がある場合は、手数料を自動で入力してくれるビットコインウォレット利用しましょう。すでに使用しているビットコインウォレットが自動で手数料を入力してくれない場合には、この記事で紹介したサイトを活用して、適切な手数料を設定することで、取引の認証がスムーズに行くはずです。
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