< 戻る2020年8月30日

暗号資産とは?【完全ガイド】

暗号資産

目次:

導入

2009年から始まったビットコインは、一部のギークの間でしか話題にならなかったものでしたが、2017年後半から年末にかけて、暗号資産はバブルの状態となり、日本国内でもテレビCMが流れ、有名取引所のCEOは様々なメディアに出演し、一般の人たちまで知るところとなりました。

ホリエモンがCOMSAを購入したニュースが注目され、大手取引所コインチェックの月間取引高は4兆円にのぼり、青年層向けメディアであるニュースピクスでも暗号資産は人気トピックの1つでした。

しかし、ビットコインが200万円を超える金額を天井でつけたことを皮切りに、バブルは崩壊して暗号資産は冬の時代、ここから長い長いベア相場が始まりました。

バブル期で発生した数々のscam(詐欺)トークンやハッキング事件は、人々に暗号資産に対する関心よりも不安をもたらし、そのことも、暗号資産業界のブル相場への突入の足を引っ張っていると私は考えています。

ところが、最近になって、また一部で暗号資産の景気が回復し、ブル相場に突入しているとみて良い状況が発生しています。この「一部」とは、DeFi(分散型金融)と呼ばれる市場です。

DeFi関連のプロダクト自体は17年から存在していましたが、18年末に登場したUniswapが流動性の改善に大きく貢献したことを皮切りに、COMPなどの高金利レンディングサービスが注目されるようになりました。

最近では、20年7月に1枚3ドルでローンチされたYFIが、1週間後には3000ドル、現在は30000ドル以上の価格で推移しています。このYFIも高金利レンディングサービスの1つです。

また、現在は株式市場の景気が非常に良いです。1年間でApple株が20倍になったニュースは暗号資産業界の間でも話題を呼びました。

このように、金融資産全体に対して投資ムード、リスクオンな雰囲気が流れているので、新しく暗号資産にも投資したい、株式とは違う暗号資産が気になる人も多いと思います。

今回は「暗号資産とは何か」、ということを詳しく解説していきます。

暗号資産とは?

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まず、暗号資産とは、暗号技術を用いている資産なので独特の名前がついていますが…さまざまな資産の種類の1つです。暗号技術を使っているソフトウェアサービスという特異な側面もありますが、法定通貨で行うような決済や、金(ゴールド)のような資産として扱われるように、従来型金融とさほど変わりません。

本当に最近になって、COMPやYFIのような、担保型債券としての機能も注目されるようになりましたが、これも従来の金融市場では当然のように存在しているものです。

そのうえで、決済としての機能はクレジットカードや現金よりも利便性が低く、しかし、従来金融市場と比較して時価総額が著しく低い、ポテンシャルを秘めた産業でもあります。

暗号資産は、いつ・どのようにして・なぜ始まったのか

暗号資産の構想自体は90年代のアメリカで既に始まっていたそうですが、実際に暗号資産の形になり、運用が開始されたのは2009年からです。

この09年から始まった暗号資産はビットコインというもので、サトシ・ナカモトと名乗る人物がインターネットに投稿した論文を基に作成されました。

09年にビットコインが誕生した背景には様々な推測がされていますが、「2008年のリーマン・ショックによる中央集権への不信感」がきっかけになっているとする論が有名です。

2008年のリーマンショックでは、リーマンブラザーズやゴールドマンサックスを初めとするアメリカ大手投資銀行が、低所得者向けローンであるサブプライムローンを、投資家にCDO(債務担保証券)の形で販売していたのですが、世界的な格付け機関は、このCDOを「安全」と評価していました。

さらに、大手投資銀行は、顧客にCDOを提供しながら、その保険商品であるCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を購入していました。そして住宅バブルが崩壊し、リーマンショックが発生した際には、CODを「安全」と評した格付け機関は責任を負うことを否定し、大手投資銀行はCDSを売却して利益を得ていました。

このリーマン・ショックは、中央集権型の金融関係機関の信頼を大きく低下させることのきっかけになり、新しい金融の形が模索されていました。そんなときに登場したのがビットコインだったのです。

暗号資産と仮想通貨の違いは何?

ビットコインをはじめとした「暗号資産」は、「仮想通貨」とも呼ばれます。むしろ「仮想通貨」の方が一般的な呼び方でしょう。

この暗号資産と仮想通貨の違いですが、実は指しているものは全く同じです。2018年12月に金融庁が「呼び方を世界基準に合わせて変更すること」を発表、20年5月1日に正式に「暗号資産」と名称を改めました。

実際に、G20など国際会議では Crypt Assetと呼ばれており、これを日本語に訳すと「暗号資産」となります。

暗号資産の例

この暗号資産は、ビットコインをはじめ世界中に2000種類以上存在します。一般的な通貨とは違い、暗号資産の用途は様々なものがあります。その中でも代表的なものをいくつか紹介します。

ビットコイン(BTC)

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ビットコインは、暗号資産でもっとも有名であり、現在(20/08/27)時価総額がもっとも大きい暗号資産です。暗号資産をトレードする取引所で、ビットコインを取り扱っていないところはまず無いでしょう。

ビットコイン取引の証明方法にPoW(Proof of Work)を用いており、コンピュータによる計算力の高さで、ビットコイン取引を承認します。

他の暗号資産と比較してビットコインの価格は桁違いに高いのですが、これはETHやXRPなど有名通貨と比べてみると総発行枚数が少なく、希少性が高いためです。

【イーサリアム(ETH)】

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イーサリアムは、スマートコントラクトを構想および実装し、ブロックチェーン上にアプリケーションを作る機能を搭載した、いわゆるプラットフォーム通貨です。

実際に、イーサリアム上で作られたdAppsと呼ばれるアプリケーションは数多く存在します。2018年11月に開始されたイーサチェーンベースのdAppsゲームであるMy Crypt Heros(マイクリプトヒーローズ)は、テレビCMも放送されており、日本国内で最も有名なdAppsの1つです。

イーサリアム取引の証明方法はビットコインと同じくPoWですが、計画中のイーサリアム2.0ではPoSを導入予定です。

PoSはコインを持っておくだけで取引の承認に参加できるのですが、PoWのように計算力の高いコンピューターを持つ必要がないため、参入障壁が低く、PoWよりも民主的なシステムだと言われています。

【モナコイン(MONA)】

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モナコインは、日本の大手匿名掲示板2ch(現5ch)で生まれたアスキートアート、モナーをモチーフにして開発。2014年に正式にリリースされました。

また、テーマが面白いだけでなく、取引データを圧縮してトランザクションの高速化を図るSegwitを世界ではじめて導入した、かなり技術開発が進んでいるコインでもあります。

モナコインの用途は決済や送金だけでなく、配信者をはじめクリエイターに投げ銭をプレゼントする際にも使われます。

このモナコイン以降で、NANJやVIPSなど様々な国産コインがリリースされましたが、モナコインはそれら通貨の先駆けとなる存在です。

【ドージコイン(DOGE)】

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ドージコインも、モナコインのような、インターネット・ミームが由来のエンタメ性の強いコインですが、こちらは世界的な知名度を誇るコインです。世界最大手取引所のBINANCEに上場しています。

ドージコインの特徴は、発行枚数に上限を設けていないため、1枚あたりの価格が非常に安いことです。

たとえば、現在のビットコインの価格は10,000ドルを超えていますし、モナコインの価格は、ビットコインよりもずいぶん安いですが、1ドルを超えています。

一方で、このドージコインは0.003ドルで、日本円に換算すると1円にも満たない価格です。投げ銭をはじめとした少額決済に、非常に向いているのです。

【ポルカドット(DOT)】

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20年8月現在、過去に無いほど分散型金融(DeFi)ブームがやってきています。そのブームをけん引している通貨はチェーンリンク(LINK)、そしてヤーンファイナンス(YFI)です。

今後のDeFiで重要な役割を担うと考えられているのが、異なるチェーン間を繋ぐ「マルチチェーン」と呼ばれる技術ですが、中でも、ポルカドットはイーサリアムの元CTOが開発に参加しており、将来性が大きく期待されています。

ポルカドットも既にBINANCEに上場しており、現在は上場直後から2倍以上の価格を推移しています。

なぜ人は暗号資産を使う/持つ選択をするのでしょうか?

現状、暗号資産と従来型の現金・クレジットカード決済を比較すると、利便性は従来型の決済手段の方に軍配が上がります。

また、金融市場を比較してみても、暗号通貨は株式とは比較にならないほど小さく、よりマイナーな金(ゴールド)市場から見てもずいぶん小さいです。

それでもなお、暗号資産全体の時価総額は3000億円を超えており、少なくない人々が暗号資産を保有していることは明らかです。

暗号資産で出来ることとは?

暗号資産という名称こそ特殊な響きがありますが、従来型の資産と同様に決済やトレードが出来ます。また、オンラインカジノでもビットコインを受け入れているところは少なくないです。

しかし、VISAやMasterCardのような世界的なクレジットカードと比較すると、暗号資産で決済できる場所は少なく、正直言えば心もとないです。

多くの暗号資産ユーザーにとっては、暗号資産で短期・長期トレードをしたり、ビジネスの送金に使うことの方が、よほど多いはず。

特に、暗号資産市場は他の市場よりも値動きが激しく、高いレバレッジをかけることも出来るため、リスクテイカーな個人投資家にとっては魅力的な市場に映ります。

また、暗号通貨市場自体が出来て間もないこともあり、ビットコイン、あるいは中・低位銘柄の将来に期待して長期保有する方もいます。

このような「塩漬け」トレードは、資金ロックによる機会損失はじめリスクもありますが、暗号資産の、株式と比較したときの圧倒的な時価総額の低さから、大きなリターンとして返ってくる可能性も充分期待出来ます。

暗号資産は安全ですか?

まず、暗号資産はコインチェック事件をはじめハッキングの危険と隣り合わせであり、他の金融商品と比較してリスクは高いです。

このハッキングリスクを避けるために、オンラインに接続されていないコールドウォレットに保管することが推奨されています。実際に暗号資産を保有する際には、必要以上に取引所に置いたままにしないように心がけましょう。

また、これは株式でも同様のことが言えますが、低位銘柄はプロジェクトが破綻するリスクがあります。暗号資産でも、有望視されてメディアで取り上げられていたコインが、その1年後には、ほとんど値段がつかなくなったという例が何度もありました。

ビットコインやイーサリアムほど大きなプロジェクトの銘柄は、低位銘柄ほど破綻リスクは大きくはないですが、新興市場であることは変わりないので、そのようなリスクがあることは、頭の片隅に置いておきましょう。

今後の暗号資産の可能性

暗号資産は、従来の決済方法よりも不便で、さらにハッキングリスクも高いのですが、そのようなリスクがある分だけ、将来性も期待できます。

なぜなら、他の金融市場と比較したときに、暗号資産の市場規模は非常に小さく(株式市場との比較では約1/200)、これは大きな伸びしろであると考えることが出来ます。

さらに、2020年からDeFi(分散型金融)の市場が急速に整えられており、分散型金融という新しいシステムは大幅に使いやすくなり、大口投資家や集権型金融の大物さえも惹きつけています。

暗号資産について考慮すべきリスク

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暗号資産は様々なチャンスが眠っている市場である一方で、抱えているリスクも小さくないです。ある意味、一般的な金融商品以上の変動幅の恩恵を受けられる対価として、レバレッジをかけてトレードしているようなもの。

特に気を付けておきたいことは、ハッキングリスクです。日本国内の取引所は、18年にコインチェックが大規模なハッキング被害にあった後からセキリュティ意識は高まりましたが、国外取引所は、まだまだいい加減にセキリュティ管理をしているところは少なくないです。

また、大きなポテンシャルが眠っている低位銘柄は、日本国内取引所よりも、海外の小さな取引所にのみ取り扱っているケースが圧倒的に多いのですが、そのような取引所はセキリュティ意識が低い場合もあるため、『虎穴に入らずんば虎子を得ず』という気持ちで望むくらいがちょうど良いです。

この業界は、破綻した利回りを掲げるポンジスキームをはじめとした詐欺や、詐欺まがいが多い点も注意が必要です。特に、どこにも上場していない新興銘柄のプレセールやICOなどは、予め、しんどいくらいの入念な調査をしておくことをおすすめします。

まとめ

暗号資産の市場は、まだ誕生して日が経たないこともあり、従来的な資産と比較すると不便な点は多いです。私自身も、日常の決済シーンで暗号資産を用いることは、残念ながらほとんどありません。

また、詐欺やハッキングといった暗い側面も普通の金融商品以上に大きく、今まで意識してきたこと以上のセキリュティへの関心が必要となります。

しかしながら、この不便さ・面倒くささは、投資家や一般の人々への参入障壁を上げることと表裏一体の関係です。それゆえに非常に小さい時価総額になっています。さらに、これらのマイナス要素は解決に向かって急速にアップデートしている最中です。

暗号資産は未だにマイナスな側面は多いですが、それでも、大きな可能性を秘めている市場であることは間違いありません。

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