< 戻る2021年3月28日

P2P(ピアツーピア)仮想通貨取引所とは?利用方法やメリット&デメリットを紹介します

P2P仮想通貨取引所ガイド

目次:

P2P(ピアツーピア)取引所とは?

仮想通貨のP2P(ピアツーピア / Peer to Peer)取引所は「分散型取引所」とも呼ばれ、ビットコインなどの仮想通貨の売買を、第三者機関を介すことなく、市場の参加者同士が直接取引を行うことができる仮想通貨取引所です。

通常の仮想通貨取引所は、運営する企業が仮想通貨の売買を行いたい顧客間の仲介を行い、手数料を徴収することで利益を得ています。

P2P取引所は、通常の仮想通貨取引所に比べ、取引手数料が大幅に抑えられることや、決済方法にかなりの自由度があることから、一部の仮想通貨利用者に人気を集めています。

P2P取引所の仕組み

P2Pエクスチェンジの仕組み

P2P仮想通貨取引所の仕組みを理解するには、まず中央集権型(集中型)取引所の仕組みも理解することが重要となります。集中型の取引所では、仮想通貨を売りたい人は、自分の仮想通貨を出品して取引所に掲載することができます。同様に、仮想通貨を購入したい人は、売りに出されている仮想通貨が掲載されているリストを見ることができます。また、購入のために新しいリストを作成することもできます。この「リスト」は、オーダーブック(取引板)と呼ばれています。

売りのリストの1つが買いのリストと一致すると、集中型の取引所は買い手から売り手に直接資金を移すように配慮します。買い手はすでに取引所のウォレットにお金を入れているので、送金はほぼ即座に実行されます。これは、取引所が買い手の資産を管理していることを意味します。購入が実行されるとすぐに、お金は売り手のウォレットに転送されます。この場合も、売り手はお金を取り戻すために中央機関に頼らなければならないことになります。

集中型取引所は一見、公平で迅速なプロセスのように思えるかもしれません。しかし、万が一取引所の運営企業が法的な脅威にさらされた場合、ウォレット、ひいてはユーザーの資金が凍結される可能性がとても高いのです。以前、中国人民銀行が仮想通貨取引所のビジネスとしての有効性を認めなかったことで、このような事態が発生したことがあります。

中央集権型の取引所の仕組みが分かったところで、分散型の取引所の仕組みを見ていきましょう。分散型の取引所は、中央の権威や企業は一切関与しません。中央集権型の取引所と同様に、P2P取引所にも買い手と売り手が売買の注文を記載するオーダーブックがあります。しかし、分散型取引所では、「注文」をマッチングさせるのではなく、「人」をマッチングさせるのものとなっています。

P2P取引所で行われる取引は、ブロックチェーンの生来の特性である「スマートコントラクト」によって実行されます。スマートコントラクトは、買い手と売り手がエスクロー(預託)に一時的に金額を預けるのに役立ちます。取引が売り手の満足のいくように実行されると、エスクロー口座は売り手の口座に解放されます。

P2P取引所で行われるすべての取引プロセスには、企業や会社が関与していないため、P2P取引所が提供するサービスに介入することはできません。取引は比較的迅速に行われ、コストも中央集権型の取引所よりもかなり低く抑えられます。



P2P取引所の利用方法

まず、取引を行いたいP2P取引所を決めます。P2P取引所によっては、アカウント登録なしで利用できるものもありますが、ほとんどのP2P取引所はアカウントの開設が必要となります。

利用するP2P取引所を決め、アカウントの開設が済んだら、仮想通貨の購入をしたい場合には購入用のページで出品されているリストを確認しましょう。様々な支払い方法やレートが表示されるので、自身の希望の支払い方法や購入額に一致するものを選択して出品者とのやりとりをし、取引を完了させます。

また、仮想通貨の売却をしたい場合には、購入希望のリストを確認し、自身の条件にあったものを選びましょう。

購入・売却どちらの場合にも、すでに出品されているものから選ぶだけでなく、自ら出品することも可能です。

P2P取引所のメリット

P2P取引所のメリット

P2P取引所には、集中型の取引所には無い、多くのメリットや選択肢があるため、多くの仮想通貨利用者に好まれています。ブロックチェーンのあらゆる用途に分散化の属性を適用すべきだと考える人々にとって、分散型取引所は完璧な選択肢と言えるでしょう。

ここでは、そんなP2P取引所の主なメリットを見ていきましょう。

1. 取引コストを抑えることができる

P2P取引所には、中央集権的な機関が存在しないため、取引コストを最小限に抑えることができます。中央集権的な取引所は、運営に関わるスタッフに給料を支払う必要があり、利益に加えて給料ともなり得る手数料が大きな割合を占めていることを理解しておく必要があります。しかし、P2P取引所では、給与の支払いは必要ありません。ブロックチェーン手数料や仲裁のために徴収される手数料は確かにありますが、中央集権的な取引所に比べればかなり少ないものとなっています。

2. 匿名性が高い

ことです。通常の集中型取引所を利用する際には、利用者は取引開始前にKYC(本人確認)プロセスを完了することが義務付けられており、金融機関向けの規制に従うことが求められます。そのため、取引所がハッキングなどの危険にさらされると、大切な個人情報が悪意のある人に漏れてしまうことになります。非中央集権型(分散型)の取引所では、そのような手続きは一切なく、プライバシーや匿名性が最高レベルで確保されています。

3. 高いセキュリティ

取引のすべてのプロセスは、ソフトウェアの一部であるスマートコントラクトを使って自動で実行されます。人が介在しないため、セキュリティは最大限に保たれています。

P2P取引所のデメリット

P2P取引所のデメリット

P2P取引所は、すべての面で通常の取引所より優れているわけではありません。取引時間の長さや流動性の低さなどは、P2P取引所のデメリットとして挙げられます。

分散型取引所の欠点の多くは、まだ誕生したばかりの比較的新しいサービスです。例えば、最も古いP2P取引所の1つであるBitsquareは、サービス開始からわずか3年で、そのほとんどが開発期間でした。

ここでは、そんなP2P取引所のデメリットを紹介していきます。それではみていきましょう。

1. 取引完了に時間がかかることがある

取引完了までにかかる時間の長さは、P2P取引所のデメリットの一つと言えます。これは、取引が行われる方法に起因しています。利用者は、取引が成立する前に、実際のビットコインなどの仮想通貨と法定通貨(日本円、米ドル、ユーロなど)の取引が完了するのを待たなければなりません。

また、個人間で取引が行われることから、取引のリクエストを相手側に送信してから、取引相手と情報のやり取りをする必要があることが多く、返信が来るのを待つ必要があります。

2. 利用者数がまだ少ない

P2P(分散型)取引所は、まだ誕生したばかりの比較的新しいサービスです。例えば、最も古い取引所の1つであるBitsquareは、設立からわずか3年で、そのほとんどが開発期間でした。そのため、ほとんどの取引所は現在、比較的小規模で特定の仮想通貨利用者のみを対象としており、新規参入者に対応する必要がないため、直感的に使えない傾向があります。

上記の理由(利用者が少ない、設立初期)により、現在のP2P取引所の取引量は通常の取引所よりも、はるかに少なくなっています。

そのためP2P取引所は、タイムリーで迅速な取引を行うことを必要としているプロのトレーダーには、現時点ではほとんど需要がないと言えるでしょう。現状でのP2P取引所は、プライバシーやセキュリティー、支払い方法の自由度の向上など、P2P取引所が提供する具体的なメリットを重視する人にとって主に利用されています。

3. 詐欺行為が行われる可能性がある

P2P取引所での取引は個人間で行われることから、利用者が詐欺に遭いやすい状態になっています。ビットコインなどの仮想通貨の送金は、一度行うとキャンセルすることは出来なくなり、返金はできません。逆に、法定通貨の送金は銀行やオンライン決済などの第三者機関を介して行われるため、キャンセルや返金が可能な場合が多いです。そのため、買い手が法定通貨での支払いを行い仮想通貨を受け取った後、銀行やその他の金融機関に返金を要求することができてしまい、売り手側は仮想通貨を盗まれてしまう危険性があります。

しかし、このような詐欺行為を防ぐために、P2P取引所はさまざまなセキュリティ機能を導入しています。例として、取引を開始する前に、取引相手の双方が一定額のビットコインを預けることを義務付ける「預託金制度」を導入しているP2P取引所があります。取引開始前に双方は、一定額のビットコインを預ける必要がありますが、問題なく取引が完了すれば、預かったビットコインは利用者に返って来ます。

また、取引を実際に会って行うことを選択肢として提供しているP2P取引所もあります。この方法では、取引が完全に完了したことを確認してから別れることができます。もちろん、これは利用者が住む特定の場所のみに限られてしまいますが、安全性の向上という意味では、正当なトレードオフだと考える人もいるでしょう。

おすすめのP2P取引所

それでは、P2P取引所のメリットとデメリットを知った上で、P2P取引所を利用してみたい方に向けておすすめのP2P取引所を3つ紹介します。

ここで紹介するP2P取引所は、どれも知名度や利用者数が多いものとなります。それではみていきましょう。

1. LocalBitcoins(ローカル・ビットコイン)

LocalBictoinsではその名の通り、ビットコインと現地通貨の取引を行うことができる、もっとも知名度のあるビットコインP2P取引所の一つです。LocalBitcoinsの特徴は、248以上の国と16,000以上の都市でその存在を示していることです。

2. Paxful(パックスフル)

Pacfulは2015年に設立されたP2P取引所で、最も特徴的な点は、P2P取引所の中ではかなり珍しい、直感的で使いやすいUI(ユーザー・インターフェース)です。また、とても低いレートに加えて、アフィリエイトプログラムも備えており、優れた仮想通貨ネットワークで人々を魅了しています。

また、Paxfulは300以上の異なる支払い方法に対応しています。クレジットカードや銀行振り込みはもちろん、アマゾンギフトカードなどの各種ギフトカードや、PayPay、Apple Pay、LINEペイなど様々な支払い方法で仮想通貨の売買をすることができます。

3. Binance P2P(バイナンス)

仮想通貨の経験者なら知っている方も多いはずのバイナンスは、すでに仮想通貨取引所業界での地位を確立しています。そのバイナンスが、P2P取引所の分野に進出しているという事実は、P2P取引所の受け入れが拡大していることを考慮する上で、強い要因となるはずです。

まとめ

ブロックチェーン技術全体が本来は分散化を目的としていることから、分散型取引所であるP2P取引所が日を追うごとに注目されていくのは当然のことと言えるでしょう。現時点でのP2P取引所は、取引量やスピードの面でいくつかのデメリットがあるかもしれませんが、これらの問題は人気の高まりとともに解決されていくでしょう。近い将来、P2P取引所が主流になる日もくるかもしれませんね。

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